再受験支援プログラム 勉強会の報告
9月5・6日に、2日間連続で学習会を行いました。
ミエ学園よりご厚意頂き勉強をする場所をお借りしました。ミエ学園は、元残留日本兵の相互扶助組織として発足し、現在はインドネシアの日本人を支援する福祉友の会が中心となって運営されています。日本とインドネシアの架け橋ともいえる歴史を感じさせる場所であり、日本で看護師をめざしている方たちにふさわしい学習の場だと感じました。
今回は、看護師候補者たちがみんな《苦手》と答えた精神看護学の分野について学習を深めました。インドネシアの考え方と一番違いが大きいのではないかと予測していた分野です。いろいろとインドネシアでの【常識】の話が飛び出しました。
例えば、精神科の薬を拒否する患者に対して看護師がどう対応するかという問題では、「インドネシアでは食べ物に薬を混ぜるのが普通だ」とのこと。それによって、患者が家族や看護師などに不信感を持ち、よい関係が取れなくなる危険性などを話しました。
入院患者が「外泊を繰り返して」退院準備を進めるという状況についても、インドネシアではそんなことはやらない。そのまま退院させてしまうとのこと。
精神障がい者の社会復帰を助けるための「作業所」という場所についても、病院内での作業療法はあるけれど、地域にそういう特別な場所はないとのこと。家事を支援するサービスについても、インドネシアでは、自費でお手伝いさんを雇うとのこと。
一般病棟への入院期間が短いインドネシアですが、「精神病棟では入院が長い人がいる」というので、どのくらいの期間かと尋ねると、「1年とか2年とか...」の答え。日本には、30年40年と入院している人もいるので、退院支援の法律が強化されたのだと説明すると、本当にびっくりした様子でした。
インドネシアでは普通にやっていることが、国家試験の問題では、×になることも多いため、一つずつ意見交換をしながら進めています。繰り返すうちに、考え方が少しずつ浸透していって欲しいと考えています。
10月と11月には、ミエ学園の会場をお借りして、看護セミナーを2回開催する予定です。EPAで日本の看護を体験し、インドネシアに戻った方々の交流の場にしたいと考えています。詳細は後日、ホームページにて紹介させて頂きます。